*

落語 花筏(はないかだ)のあらすじ なぜ横綱ではないのか?

公開日: : 最終更新日:2020/02/17 滑稽噺 , , ,

花筏

ある日 提灯屋の主人の元に相撲部屋の親方が訪ねてくる

提灯の注文だと思った主人だったが、そうではなく親方は頼みがあるという

頼みというのが変なもので、部屋の力士一同 水戸へ地方巡業へ赴くことになったのだが、看板大関である花筏(はないかだ)が大病を患って巡業に出られない
床に伏せる花筏
数年に一度の巡業に看板大関が行けないとなると、興行主も村の者たちもがっかりだ

「相撲は取らなくてもいい 顔だけでも見せてくれないか」という興行主の頼みだが、花筏は歩くこともままならない

そこで見た目や背格好の似ている提灯屋の主人に白羽の矢が立ったというわけ

提灯屋:
「そんな無茶なお願いされても相撲なんてやったことがないし、もし偽物だとバレたら大変なことになりますよ。私はお断りです」

親方:
「なに心配なんていらないさ。花筏本人を見たことのある者なんていないだろうバレるわけがない

おまえさんは紋付き袴姿でドンと座っててくれればいい。酒もいくら飲んだってかまわないよ」
花筏巡業
座っているだけでいい上に酒はいくら飲んでも構わないという好条件に喜んで代役を引き受ける提灯屋の主人

巡業先では言われた通り堂々と座ってやり過ごしていたが、少し風向きが変わってくる

興行主:
「明日は千秋楽です。なんとか村の若い者に胸を貸すつもりで花筏関にも相撲を取ってもらえませんか?」

親方:
「お知らせしたとおり花筏は大病を患っておりまして」

興行主:
「宿の者がいうには、花筏関は酒を毎食1升飲むそうですが…」
花筏酒
元気なことがバレてしまっており、断り切れなくなった親方は主人にわけを話すと案の定 「約束が違う」と文句をいい始める

親方:
「なに心配はいらないさ。勝とうとせずに最初だけ強くぶつかってごろんと転べばいい

そうすれば見物人は花筏は若者に花を持たせてくれたんだと勝手に解釈するし、おまえさんもケガをしなくてすむ」

策を授けられてしぶしぶ相撲を引き受ける提灯屋の主人。翌日見物人は花筏の登場に大歓声
花筏登場
気が弱い主人は土俵に上がったものの相手を見ることができない。下を向きながら「南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏…」小声で念仏を称える始末

それを聞いた相手力士は

相手力士:
「なぜ念仏を?もしや花筏は俺を殺す気では?」

相手力士もだんだん怖くなってくる。

そうこうしている間にはっけよいのこった!軍配が返った
相撲の土俵
勝負が始まったがお互いが腰が引けているから なんともおかしな立ち合いになる

花筏のフリした主人は親方のアドバイス通りドーンと強く当たろうとする

相手力士は怖いから 勢いよく突っ込んでくる花筏(主人)を見て腰が引けてしまい体が当たる前に土俵下にゴロン

その勝負を見て見物人たちは大歓声!「さすがは花筏たったの一張りでゴロンだ!」

張りがうまいのは当たり前 提灯屋ですから

看板力士がなぜ横綱ではないのか?

花筏大関とは
看板大関の花筏 部屋の看板なのになぜ大関なのか?部屋に横綱が在籍してなかったというわけではなく、江戸時代、相撲番付の最高位が大関だったからです。

横綱と言うのは一種の名誉的な称号で、亡くなってから贈られた力士もいる一方、雷伝為衛門のように無類の強さを誇っても任命されなかった力士もいます。

ちなみに噺の中の花筏とは 水の上に散った花びらが水面を覆い すべるように流れていく様子でなんとも風流な四股名と言えます

落語一覧へ



関連記事

長屋

落語 粗忽長屋のあらすじ 色々なランクがある長屋について

粗忽長屋 そそっかしい八五郎が浅草の観音様にお参りした帰り道 人だかりが出来ているのに出くわす

記事を読む

六尺棒

落語 六尺棒のあらすじ 江戸時代放火犯の末路とは

六尺棒 道楽者で遊んでばかりいる大店の若旦那。今日も遅くまで飲んでしまい深夜に帰宅する。

記事を読む

高田馬場

落語 高田馬場のあらすじ 人気があった敵討ちについて

高田の馬場 浅草奥山観音様の境内、参拝客を当て込んだ出店や大道芸などを目当てに訪れる観光客もあって

記事を読む

落語 宿屋の敵討のあらすじ 敵討ちのルール色々

宿屋の敵討ち 宿場町の旅籠に一人旅の武士が泊まりに来た。疲れているので静かな部屋を所望するとさ

記事を読む

開帳

落語 開帳の雪隠(かいちょうのせっちん)のあらすじ 回向院で行われた出開帳とは

開帳の雪隠 両国回向院のそばで子供相手に駄菓子屋を営んでいる老夫婦 今は出開帳の真っ最中

記事を読む

孔子

落語 二十四孝(にじゅうしこう)のあらすじ 中国の書物二十四孝とは?

二十四孝(にじゅうしこう) 乱暴者の熊五郎が大家さんのところへ駆け込んでくる 何でも母親

記事を読む

落語 元犬のあらすじ オチの解説

元犬 人間になりたくて蔵前の八幡様に願をかけ始めた白犬のシロ 願掛けをはじめて21日目の満願の

記事を読む

落語 宗論のあらすじ 宗論はどちらが勝っても釈迦の恥

宗論 店が忙しいというのに若旦那が朝から姿を見せない。 番頭の話によると どうやら若旦那はキ

記事を読む

落語 権兵衛狸のあらすじ

権兵衛狸 一人暮らしの権兵衛が一杯飲んで寝ようとしていると いきなり家の戸を叩く音がする。同時

記事を読む

落語 王子の狐のあらすじ 王子稲荷と実在する扇屋について

王子の狐 王子稲荷にお参りに来た熊五郎 その帰りに不思議な光景を目にする。狐が頭に葉っぱ

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

落語 野ざらしのあらすじ オチの馬の骨だったか!の意味とは?

野ざらし 長屋の八五郎が隣に住む先生の元をたずねる。 昨晩

落語 化け物使いのあらすじ 驚愕の奉公人の年間休日数とは?

化け物使い 人使いの荒いことで有名なあるご隠居 朝から晩まで働

馬
落語 付き馬のあらすじ オチの馬に行けとは?

付き馬 吉原のある店に金持ち風の男がと登楼してくる。その晩 男は

落語 黄金餅のあらすじ 西念が飲み込んだ金について

黄金餅 ケチ坊主の西念が病で寝込んでいると聞いて隣に住む金兵衛が

金蔵
落語 味噌蔵のあらすじ 防火対策の目塗りとは?

味噌蔵 ケチで有名な商屋の旦那の奥さんに男の子が生まれたというと

→もっと見る

PAGE TOP ↑