*

落語 厩火事(うまやかじ)のあらすじ 高収入だった?江戸時代の女性髪結い師

公開日: : 最終更新日:2019/02/19 人情噺, 滑稽噺 , ,

厩火事

髪結いのお崎は亭主の八五郎とすぐに夫婦喧嘩になってしまう。

今日も喧嘩をしてご隠居のところに愚痴を言いに来た。

ご隠居:
「八五郎は道楽者だからよせといったのに おまえがどうしてもって一緒になったんだろう?いっそのこともう別れてしまいなさい」

お崎:
「それでもあの人にもいいところはあるんですよ」

けんかの愚痴を言いにきたくせに、ご隠居が突き放すとお崎は八五郎の弁護をはじめる始末

ただ八五郎の本心が知りたいとご隠居に訴える

ご隠居:
「それではこういう話がある。唐土(もろこし)の有名な学者と麹町のさる殿様の話だ」
孔子
お崎:
「モロコシの役者に猿の殿様ですか?」

よくわかっていないお崎だがご隠居は続ける

ご隠居:
「孔子の留守中に厩(うまや)が火事になり、大事にしていた馬が死んでしまった。使用人たちは大変なことになったと恐縮したが、孔子は咎めることなく使用人たちの無事を喜んだ
馬
一方、麹町の殿様は家宝の皿と一緒に階段から落ちた女房を見て”皿は無事か”と言ったそうな。結局離縁になり、その悪評が世間に広まって家は没落したという

そこでおまえも八五郎の大事にしている瀬戸物を目の前で割って見せて、彼が孔子なのか殿様なのか試してみてはどうだろう」

早速お崎は家に帰ると八五郎の大事にしている瀬戸物を転んだ振りをして割ってしまう。
皿
八五郎:
「お崎!怪我はないか!」

飛んできてお崎の身体を気遣う八五郎

お崎:
「うれしいよ、そんなにあたしの体が大事かい」

八五郎:
「当たり前だ。おまえが怪我をしたら明日から遊んでいて酒が飲めねえ

女性の髪結いについて

八五郎の最後のセリフは本心なのか照れ隠しなのか知る術がないのは残念です^_^;

町人の男性はわりと頻繁に髪結い床(いわゆる床屋)に通っていました。月代(さかやき)は自分では剃れないためです。

女性は自分で髪が結えて一人前という意識があり、基本的には自分で髪を結いましたが、裕福な商家の女性などは女性の髪結い師に結わせていました。

髪結い師の女性を芝居や花見などに一緒に同席させ、出先でも髪を直させたそうです。

裕福な女性の専属の髪結いとなると給金もかなりよく、髪結いの亭主という言葉もあり、半ばそれが職業のような男性もいたとか

噺の中の八五郎はどう考えてもゴクツブシのようですが…

ちなみに長屋の女房は専業主婦が多く収入があったとしても内職くらいでしたので、手に職がある女性の髪結い師は貴重な存在でした。

落語一覧へ

関連記事

柳田かくのしん

落語 柳田格之進(やなぎだかくのしん)のあらすじ 庶民の娯楽だった囲碁

柳田格之進 万屋の主人に招かれて碁を囲む浪人の柳田格之進 そこへ店の番頭が50両の集金を終え

記事を読む

紀州

落語 紀州のあらすじ 徳川宗家と御三家将軍継承について

紀州(きしゅう) 七代将軍の家継が8歳の若さで亡くなってしまった。 跡継ぎがいないため、

記事を読む

心眼タイトル

落語 心眼のあらすじ 薬師如来(薬師様)のご利益とは?

心眼 按摩の梅喜が目が見えないことを弟に馬鹿にされて帰ってくる 悔しがる梅喜を励ます女房

記事を読む

玄翁

落語 子は鎹(かすがい)のあらすじ かすがいとは?タッカーとの違いとオチの意味も解説

子はかすがい 遊女に入れあげた挙句 女房と大喧嘩をしてしまった大工の熊五郎。愛想を尽かせた女房のお

記事を読む

阿武松(おうのまつ)

落語 阿武松(おうのまつ)のあらすじ 大関が最高位だった江戸時代の番付

阿武松(おうのまつ) 京橋の武隈という親方の元へ能登の国から若い者が手紙を持って尋ねてきます。

記事を読む

落語 片棒

落語 片棒のあらすじ

片棒 けちが服を着て歩いているとケチで有名な赤西屋の大旦那。人呼んで赤西屋ケチ兵衛。 若いこ

記事を読む

落語 干物箱のあらすじ 何でもお金になった江戸時代の芸。声色つかいとは?

干物箱 遊んでばかりなのを懲らしめようと、大旦那は息子の徳三郎を店の二階に軟禁してしまう。

記事を読む

落語 元犬のあらすじ オチの解説

元犬 人間になりたくて蔵前の八幡様に願をかけ始めた白犬のシロ 願掛けをはじめて21日目の満願の

記事を読む

首ったけ

落語 首ったけのあらすじ 吉原遊郭から遊女の逃亡を防いだ仕組みとは?

首ったけ 吉原の馴染みの花魁 紅梅がなかなかやって来ないので座敷で一人イライラしている辰

記事を読む

落語 夏の医者のあらすじ 食あたりの原因チシャ(萵苣)とは?

夏の医者 病気になった父親のために息子が医者を呼びに行く しかし一番近くの医者でも山を越えて六里

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

落語 野ざらしのあらすじ オチの馬の骨だったか!の意味とは?

野ざらし 長屋の八五郎が隣に住む先生の元をたずねる。 昨晩

落語 化け物使いのあらすじ 驚愕の奉公人の年間休日数とは?

化け物使い 人使いの荒いことで有名なあるご隠居 朝から晩まで働

馬
落語 付き馬のあらすじ オチの馬に行けとは?遊郭での勘定のルール

付き馬 吉原遊郭のある店に金持ち風の男がと登楼してくる。その晩

落語 黄金餅のあらすじ 西念が飲み込んだ金について

黄金餅 ケチ坊主の西念が病で寝込んでいると聞いて隣に住む金兵衛が

金蔵
落語 味噌蔵のあらすじ 防火対策の目塗りとは?

味噌蔵 ケチで有名な商屋の旦那の奥さんに男の子が生まれたというと

→もっと見る

PAGE TOP ↑