*

落語 三年目のあらすじ 死者の髪の毛を剃る意味とは?

公開日: : 最終更新日:2019/05/25 人情噺, 分かりにくい落ち, 怪談噺 ,

三年目

病気の妻をやさしい夫が一生懸命に看病するが、一向によくならない。

自分の死が近づいているのを悟ったか、妻は心残りになることがあると夫に打ち明ける
三年目布団
妻:
「あなたはまだお若いから 私が死んだら新しい奥さんをもらってその人を可愛がる。それを想像すると気になって…」

夫:
「馬鹿なこと言っちゃいけない。私は新しい奥さんなんてもらうつもりはないし、もしもの時は婚礼の夜に幽霊になって出てきなさい。そうすれば悪い噂が立って縁談なんて来なくなるだろう」

妻:
「では八つの鐘を合図に枕元に立つことにします…」

変な約束をしたものだが、妻は自分が死んだ後、夫が再婚に乗り気じゃないのを確認すると安心したのか、まもなく看病の甲斐なく亡くなってしまう。
三年目葬式
約束はしたものの四十九日、百箇日と過ぎて行くと周りが放っておかない。「おまえさんはまだ若いんだから」と縁談がくるようになる。

夫はだんだん断りきれなくなって、結局は新しい奥さんと再婚することになってしまった。
三年目花嫁
祝言も滞りなく終わり、迎えた婚礼初日の夜 夫は前妻との約束が気になって眠れない。新妻には「今日は早く寝なさいと」言って、前妻が現れるのを待っていたが八つの鐘が鳴り終わっても現れる気配がない。

夫:
「遠く十万億度の彼方から来るんだ さすがに初日は無理か」
と二日経ち三日経ち…いっこうに前妻の幽霊が現れないので段々起きているのも面倒になってきた

すると元々 新妻とも仲が悪いわけでもなく夫婦仲は円満だし、そのうち子供も授かった




時は流れて前妻が亡くなってから三年が過ぎた。法要を済ませた晩、夫は夜中に胸騒ぎがして目が覚めた。生温かい風が吹いて、障子にサワサワと何かが触れる音がする。

「何かおかしいぞ」と思っていると前妻の幽霊が枕元にうらめしそうに座っている。

前妻の幽霊:
「あなた…約束が違います…」

夫はびっくりしたが、幽霊に掛け合った
夫:
「約束が違うのはこっちも同じだ ずっと待ってたのに子供も出来た今頃出てくるなんて」

前妻の幽霊:
「無理よ…あなたは私を棺に収める時、髪を剃ってお坊さんにしたでしょ…」

夫:
「ああ したよ。親戚中一剃刀ずつ当てて棺に収めたよ」

前妻の幽霊:
「坊主頭だとあなたに嫌われると思って…髪が伸びるのを待ってました…

※時刻の八つ=現代の午前2時頃

死者の髪を剃る風習について

今ではほとんどない風習ですが、江戸時代の葬儀では、髪剃(こうぞり)といって死者の髪を剃って戒を授けてから埋葬しました。

早い話が死者をお坊さんにしてあの世に送り出したということで、その時付けられるのが戒名と言うわけです。

お坊さんになる=仏弟子になる すなわち成仏して、この世に未練を残して帰ってくるなという考え方です。

気になるのが亡くなって一年目が一周忌法要、二年目が三回忌、三年目はとくに年忌には当たってないところ。
祥月命日に法要を営んだのでしょうか^^;

落語一覧へ




関連記事

花魁

落語 お見立てのあらすじ オチの解説 サゲのお見立てくださいの意味は?

おみたて 花魁の喜瀬川のもとへ田舎者のお大尽 木兵衛(もくべえ)が尋ねてくる 喜瀬川は「

記事を読む

落語 権兵衛狸のあらすじ

権兵衛狸 一人暮らしの権兵衛が一杯飲んで寝ようとしていると いきなり家の戸を叩く音がする。同時

記事を読む

金蔵

落語 ねずみ穴のあらすじ オチの五臓の疲れとは?

ねずみ穴 親の遺産をすっかり食いつぶしてしまった遊び人の竹次郎が借金を申し込みに兄の元をおとずれる

記事を読む

六尺棒

落語 六尺棒のあらすじ 江戸時代放火犯の末路とは

六尺棒 道楽者で遊んでばかりいる大店の若旦那。今日も遅くまで飲んでしまい深夜に帰宅する。

記事を読む

子はかすがい大工

落語 大工調べのあらすじ ラスト(オチ)の細工は流々…って何?

大工調べ ちょっと抜けている大工の与太郎 仕事があるというのに近頃まったく現場に出てこない

記事を読む

崇徳院

落語 崇徳院(すとくいん)のあらすじ 江戸時代結婚相手はどう探したか

崇徳院 大店の若旦那が寝込んでしまい医者が診てもよくならない。 病気以外に何か理由があり

記事を読む

落語 ぞろぞろのあらすじ 雨の日に履かれたのは草履?

ぞろぞろ 少々荒れ果てたお稲荷さんの隣で茶屋を営んでいる老夫婦。茶屋だけではたいした儲けになら

記事を読む

心眼タイトル

落語 心眼のあらすじ 薬師如来(薬師様)のご利益とは?

心眼 按摩の梅喜が目が見えないことを弟に馬鹿にされて帰ってくる 悔しがる梅喜を励ます女房

記事を読む

落語 野ざらしのあらすじ オチの馬の骨だったか!の意味とは?

野ざらし 長屋の八五郎が隣に住む先生の元をたずねる。 昨晩先生と一緒にいた女は誰なのか?

記事を読む

馬

落語 付き馬のあらすじ オチの馬に行けとは?

付き馬 吉原のある店に金持ち風の男がと登楼してくる。その晩 男は芸者や幇間入り乱れてのドンちゃ

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

落語 野ざらしのあらすじ オチの馬の骨だったか!の意味とは?

野ざらし 長屋の八五郎が隣に住む先生の元をたずねる。 昨晩

落語 化け物使いのあらすじ 驚愕の奉公人の年間休日数とは?

化け物使い 人使いの荒いことで有名なあるご隠居 朝から晩まで働

馬
落語 付き馬のあらすじ オチの馬に行けとは?

付き馬 吉原のある店に金持ち風の男がと登楼してくる。その晩 男は

落語 黄金餅のあらすじ 西念が飲み込んだ金について

黄金餅 ケチ坊主の西念が病で寝込んでいると聞いて隣に住む金兵衛が

金蔵
落語 味噌蔵のあらすじ 防火対策の目塗りとは?

味噌蔵 ケチで有名な商屋の旦那の奥さんに男の子が生まれたというと

→もっと見る

PAGE TOP ↑