*

落語 文違いのあらすじ 騙し騙されの相関図

公開日: : 最終更新日:2020/01/16 人情噺, 滑稽噺 , ,

文違い

新宿の女郎 お稲が二人のなじみ客に金を無心する手紙を送る
文違い手紙
一人はお稲にぞっこんの町人の半七
“強欲な育ての親に強請られている、縁を切るためには10両必要なのでなんとか工面してくれないか云々”

もう一人は少し通人気取 田舎の御大尽の角蔵
“故郷の母親が病気で治療のために20両の金が必要だが頼れるのはあなたしかいない なんとか工面してくれないか云々”

金を持って登楼してきた二人をそれぞれの部屋に通すと すんなり受け取っては値打ちがないと思ったか散々勿体つけてから受け取るお稲
文違いお金
順に10両と20両、合計30両のお金を受け取ると二人を待たせたままどこかへ行くお稲

部屋に一人残された半七が部屋の片隅にふと目をやるとお稲の煙草入れから手紙がはみ出しているのを見つける

何気なく読んでみるとそれは 芳次郎という男がお稲に宛てた手紙だった
“私 芳次郎の眼病治療のための30両をご用立て頂けるとのお手紙 甚だかたじけなく云々”
手紙
なんとお稲が金を無心した目的は芳次郎へ渡すためだったのだ。だまされたと悟った半七は腹を立ててしまう。

お稲は芳次郎からの手紙を読まれたことに気付かないまま これまた別の部屋で待たせていた芳次郎という惚れた男の元へ

芳次郎はすまなさそうに30両を受け取ると お稲が今夜は泊まって行けと言うのに対し「目の治療は一刻を争うから」とさっさと帰ってしまう。
文違い帰る芳次郎
芳次郎が帰った後、ふと見ると手紙が落ちている。見れば小筆という女が芳次郎に宛てて書いた手紙だった

“強欲な兄のせいで妾に出されそうになっております。それが嫌なら50両出せとの無理難題 20両は工面したものの残り30両がどうにもなりません。 それをあなた様は用立ててくださるとのお申し出大変有難く云々”

お稲の方も芳次郎に利用されていたのだ。惚れている芳次郎にだまされて悔しいやら情けないやら




そんな状態で半七を待たせている部屋に戻ると半七もカンカン お稲が開き直るものだから二人はつかみ合い大喧嘩になる

その騒ぎは別の部屋で待っているもう一人の被害者 角蔵のところへも聞こえてくる

聞こえてくる内容を要約すると どうやらお稲がどこかの色男から金をもらったとか もらわないのが原因の喧嘩らしい

そこで角蔵は店の若い衆を呼ぶと

角蔵:
「お稲の持っている金は故郷のかか様の療養のための20両だ けっして色男からもらった金ではねえのす こういって喧嘩をおさめてくるがよかんべえ」

そう言ったものの角蔵は少し慌てて

角蔵:
「ちっと待った ダメだダメだ そったらこと言ったら
おらが色男だというのがバレちまうもの

文違い相関図


知らぬが仏の角蔵も含めた男女のだましだまされての相関図!
最後にお金を手にしたのは小筆という女性ですが、果たして手紙の内容は真実なのか?
※たぶん芳次郎もだまされているのではないかと笑

落語一覧へ



関連記事

花魁

落語 お見立てのあらすじ オチの解説 サゲのお見立てくださいの意味は?

おみたて 花魁の喜瀬川のもとへ田舎者のお大尽 木兵衛(もくべえ)が尋ねてくる 喜瀬川は「

記事を読む

孔子

落語 二十四孝(にじゅうしこう)のあらすじ 中国の書物二十四孝とは?

二十四孝(にじゅうしこう) 乱暴者の熊五郎が大家さんのところへ駆け込んでくる 何でも母親

記事を読む

落語 船徳のあらすじ 吉原通いに使われた猪牙舟(ちょきぶね)

船徳 柳橋の馴染みの船宿で居候をしている若旦那。なにやら思うところがあり 自分も船頭になりたい

記事を読む

湯のみ

落語 二番煎じのあらすじ 江戸時代の治安維持のシステムとは

二番煎じ 寒い夜に番小屋に町の旦那衆が夜回りのために集まっている。 夜回りのために外に出

記事を読む

落語 悋気の火の玉(りんきのひのたま)のあらすじ 二人が火花を散らした場所とは

悋気の火の玉(りんきのひのたま) 遊女を身請けして根岸に妾宅を与えた花川戸 橘屋の旦那

記事を読む

子はかすがい大工

落語 大工調べのあらすじ ラスト(オチ)の細工は流々…って何?

大工調べ ちょっと抜けている大工の与太郎 仕事があるというのに近頃まったく現場に出てこない

記事を読む

落語 片棒

落語 片棒のあらすじ

片棒 けちが服を着て歩いているとケチで有名な赤西屋の大旦那。人呼んで赤西屋ケチ兵衛。 若いこ

記事を読む

ろくろ首

落語 ろくろ首のあらすじ 江戸時代見世物にもあったろくろ首

ろくろ首 二十五になっても母親と二人暮らしの与太郎がお嫁さんがほしいと伯父さんに相談する。

記事を読む

袈裟

落語 錦の袈裟のあらすじ 袈裟の種類と寄付者について

錦の袈裟 町の兄貴分が若い衆を集める。なんでも隣町の若い衆が揃いの縮緬の長襦袢で吉原に繰り出し

記事を読む

芝浜

落語 芝浜のあらすじ 江戸時代財布をネコババしたら

芝浜 腕前はいいのだけど、酒ばかり飲んで何日も仕事に行っていない魚屋の勝五郎 女房は暮れ

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

落語 三枚起請のあらすじ オチの朝寝がしてみたいの意味と起請文とは?

三枚起請 吉原の花魁にいれこんでいる猪之(いの) それを棟梁が「

落語 家見舞(こいがめ)のあらすじ

家見舞い 日頃世話になっている兄貴分が引っ越しすることを聞いた長屋暮

心眼タイトル
落語 心眼のあらすじ 薬師如来(薬師様)のご利益とは?

心眼 按摩の梅喜が目が見えないことを弟に馬鹿にされて帰ってくる

落語 船徳のあらすじ 吉原通いに使われた猪牙舟(ちょきぶね)

船徳 柳橋の馴染みの船宿で居候をしている若旦那。なにやら思うとこ

落語 権兵衛狸のあらすじ

権兵衛狸 一人暮らしの権兵衛が一杯飲んで寝ようとしていると いき

→もっと見る

PAGE TOP ↑