*

落語 そば清のあらすじ オチと江戸時代に残る大食い記録について

公開日: : 最終更新日:2019/07/13 分かりにくい落ち, 怪談噺 , , ,

そば清

そばなら何杯でも食べることができると豪語する旅商人の清兵衛
その見事なそばの食べっぷりからついたあだ名は「そば清」

本業の傍ら、そばの大食いで賭けをして小銭を稼ぐのが日課となっている。

今日はそば30枚を平らげたら一分をやるという長屋の男達に挑まれるが

清兵衛:
「それにしても、ズルズル…なかなか…ズルズル…30枚も食べるなんてことは…ズルズル…大丈夫ですかねえ…あれ?今何枚目ですか?」

男:
「なんてこった30枚食っちまったよ」

あっさりと一分をとられてしまった男達は引き下がれない、今度はそば50枚食えたら一両やると勝負を挑む

そばを食うだけで一両もらえるというのなら大層な額だが、さすがに食べきれるかどうか微妙なところだ

だが勝負を受けられないと言えばそば清の名が廃る
清兵衛は「今日のところは仕事がありますのでまた後日」とその場は言い繕って商売に出かけた




さて清兵衛が仕入れを終えて 信州からの帰りの山道を歩いているとうわばみ(大蛇)が人を丸呑みするのを目撃してしまう

さすがのうわばみも人を丸呑みして腹が苦しい様子

だが、近くに生えている黄色い草を一口食べると、みるみる大きなお腹が引っ込み涼しい顔をしてどこかへ這っていってしまった
蛇
「しめしめ これは食べたものを消化する草だ」と思った清兵衛は、その草を摘んで江戸に帰る。清兵衛はそば屋に現れると

清兵衛:
「この間の勝負 今ここで受けましょう」

と宣言するとうずたかく積まれた蒸篭(せいろ)がズラリと並べられ 大勢の野次馬も集まってくる

勝負が始まり20枚、30枚とそばが清兵衛の腹の中に消えていくが、40枚 この辺りからさすがに苦しくなってくる

ここが勝負所と思った清兵衛は、休憩を申し出ると厠へ駆け込んだ。そこで用意しておいた例の黄色い草をパクり

一方男たちは清兵衛がなかなか戻ってこないので「さては逃げたな」と厠の扉を開けると

清兵衛の姿はなく、そばが羽織を着て座っていた

※一両=10万円ほど 一分はその四分の一で2万5千円ほど

そば清のオチについて

清兵衛が持ち帰った黄色い草は食べたものを消化する草ではなく実は人間を溶かす草だったため、食べた清兵衛は溶けてしまい羽織と直前に食べたそばがその場に残されたという意味

蛇足でしたでしょうか^_^;

記録に残されているそばの大食い記録

江戸時代にも大食いイベントというのは催されていて、信じられないような記録も残されています。

そばの部だけを見てみると優勝者が中盛を63杯、準優勝が57杯という記録が残っています。50枚平らげる人はいたのかもしれません。この記録が本当であればの話ですが…

ただ江戸時代は19世紀の飢饉の時期を除けば食料の供給が豊かで平和な時代であったことがうかがえます。

落語一覧へ




関連記事

夜

落語 品川心中のあらすじ 心中失敗 実際に生き残った方はどうなる?

品川心中 品川の遊郭白木屋で売れっ子だった遊女のお染だが、寄る年波には勝てず、最近では客がめっ

記事を読む

ろくろ首

落語 ろくろ首のあらすじ 江戸時代見世物にもあったろくろ首

ろくろ首 二十五になっても母親と二人暮らしの与太郎がお嫁さんがほしいと伯父さんに相談する。

記事を読む

花魁

落語 お見立てのあらすじ オチの解説 サゲのお見立てくださいの意味は?

おみたて 花魁の喜瀬川のもとへ田舎者のお大尽 木兵衛(もくべえ)が尋ねてくる 喜瀬川は「

記事を読む

落語 質屋蔵のあらすじ オチの流される~利上げせよの意味は?

質屋蔵 伊勢屋の質草を預かる蔵に怪奇現象が起こるという噂が立つ。本当かどうかわからないが 放っ

記事を読む

金蔵

落語 ねずみ穴のあらすじ オチの五臓の疲れとは?

ねずみ穴 親の遺産をすっかり食いつぶしてしまった遊び人の竹次郎が借金を申し込みに兄の元をおとずれる

記事を読む

抜け雀

落語 抜け雀のあらすじ 駕籠かきとはどんな職業だったか

抜け雀 とある宿場町の宿屋に汚い身なりで泊まった若い男。 男は毎日酒を飲んで外に一歩も出

記事を読む

落語 黄金餅のあらすじ 西念が飲み込んだ金について

黄金餅 ケチ坊主の西念が病で寝込んでいると聞いて隣に住む金兵衛が見舞いに来る 「医者に見

記事を読む

小間物かんざし

落語 小間物屋政談のあらすじ サゲのしょい(背負い)とは?

小間物屋政談 働き者で評判の小間物屋 相生屋小四郎。 江戸から上方へ行商に行くことを伝えるた

記事を読む

居残り佐平次

落語 居残り佐平次のあらすじ サゲのおこわにかけるとゴマ塩だからの関係は?

居残り佐平治 遊び人の佐平次が仲間に品川の遊郭に繰り出して派手にやろうと提案する。 佐平次:

記事を読む

湯のみ

落語 二番煎じのあらすじ 江戸時代の治安維持のシステムとは

二番煎じ 寒い夜に番小屋に町の旦那衆が夜回りのために集まっている。 夜回りのために外に出

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

落語 野ざらしのあらすじ オチの馬の骨だったか!の意味とは?

野ざらし 長屋の八五郎が隣に住む先生の元をたずねる。 昨晩

落語 化け物使いのあらすじ 驚愕の奉公人の年間休日数とは?

化け物使い 人使いの荒いことで有名なあるご隠居 朝から晩まで働

馬
落語 付き馬のあらすじ オチの馬に行けとは?

付き馬 吉原のある店に金持ち風の男がと登楼してくる。その晩 男は

落語 黄金餅のあらすじ 西念が飲み込んだ金について

黄金餅 ケチ坊主の西念が病で寝込んでいると聞いて隣に住む金兵衛が

金蔵
落語 味噌蔵のあらすじ 防火対策の目塗りとは?

味噌蔵 ケチで有名な商屋の旦那の奥さんに男の子が生まれたというと

→もっと見る

PAGE TOP ↑