*

落語 ねずみのあらすじ 左甚五郎は架空の人物?

公開日: : 最終更新日:2019/10/27 人情噺, 滑稽噺 , , , ,

ねずみ

江戸時代の名工左甚五郎が旅の途中でフラリと宿場町を訪れた。そこで宿を探していると、子供の客引きに声を掛けられる。

宿の名前はねずみ屋で着いてみるとなるほど名前の通り粗末な小屋のような造り。

対してその向かい側には虎屋という立派な宿屋があり、こちらのボロさを際立てている。

主人に聞くところによると、元は自分が虎屋の主人だったが、怪我をして養生している間に番頭に店を乗っ取られ、女房もあちらに行ってしまった。

仕方なく虎屋が物置として使っていた建物を宿屋にしてなんとか暮らしているという。

それを聞いた甚五郎はなんとかしてやろうとコツコツと何かを彫り始めた。

そして出来上がったのが見事なネズミの彫刻。
ねずみ

甚五郎:
「それをタライに入れて店の前に置いておきなさい」

子供が言われたとおりに置いておくと、なんとネズミがタライの中を走り回りそれが評判となって大繁盛。

それを見届けた甚五郎は再び旅に出る。




一方そのあおりで客を取られて面白くないのが向かいの虎屋の主人。

自分のところも名工に頼んで、向こうがネズミならこっちは屋号の虎だと、虎の彫り物を作らせる。

それをネズミを睨むように宿の前に置くと、ネズミが動かなくなり、元の彫り物に。

この話を風の噂で聞いた甚五郎は再びネズミ屋を訪れて、動かなくなったネズミに話しかける。

甚五郎:
「おまえはあんな虎が怖いのか?大した出来でもないようだが」

するとネズミが動き出して

ネズミ:
「ああ、あれは虎でしたか。私は猫かと思ってました」

左甚五郎は実在しなかった?

名工として名高い左甚五郎。この噺は落語なのでもちろんフィクションですが、実は存在自体が疑問視されています。

ちなみに出身地もはっきりしてせず、生没年不詳。甚五郎作と伝えられる彫刻は日本全国100箇所にも及びます。

もっとも有名な作品、日光東照宮の眠り猫ですが、東照宮が現在のような豪華絢爛に改装されたのが、1636年(寛永13年)それ以前の安土桃山期から江戸後期までの300年間に渡って左甚五郎作と伝えられる作品が残されており、一人ではなく名工の代名詞だったとも考えられています。

落語一覧へ



関連記事

寿限無

落語 寿限無(じゅげむ)のあらすじ 寿限無とは仏教語?

寿限無 熊さん夫婦の家に男の子が生まれます。 その子供に名前をつけるのが親としての最初の

記事を読む

金蔵

落語 味噌蔵のあらすじ 防火対策の目塗りとは?

味噌蔵 ケチで有名な商屋の旦那の奥さんに男の子が生まれたというという知らせが里から届く

記事を読む

火事息子

落語 火事息子のあらすじ 町火消しと定火消しの違いとは

火事息子 火事好きが高じて町火消しになりたいという質屋の若旦那。 大旦那は一人息子にそんなに

記事を読む

落語 天災のあらすじ

天災 どんな些細なことにも噛み付く怒りっぽいことで有名な熊五郎 今日も女房と喧嘩をしたよ

記事を読む

天狗裁き

落語 天狗裁きあらすじ

天狗裁き 亭主の熊が昼寝をしながらブツブツと寝言を言っているのを女房のおみつが見ている。

記事を読む

山登り

落語 愛宕山のあらすじ かわらけ投げについて

愛宕山 旦那のお供で京都へ行くことになった幇間(太鼓もち)の一八。愛宕山へ登ることになったが、

記事を読む

長屋の花見

落語 長屋の花見のあらすじ 江戸時代の桜の種類とは

長屋の花見 ある日貧乏長屋の住人達に大家さんから呼び出しがかかる。 誰もまともに家賃なん

記事を読む

目黒のさんま

落語 目黒のサンマのあらすじ 大名や武士が食べなかった魚とは

目黒のさんま 秋の晴れた日に家来を伴って遠乗りに出かけた さる国の殿様 目黒の辺りに着いた所

記事を読む

御神酒徳利

落語 御神酒徳利(おみきどっくり)のあらすじ 実はエリート?番頭の役割とは

御神酒徳利 江戸の大きな旅籠で大掃除の最中に、主人の先祖が将軍家より頂いた家宝の御神酒徳利がな

記事を読む

文七元結

落語 文七元結のあらすじ 文七が身を投げる決意をした金額について

文七元結 長屋に住む長兵衛は左官屋として確かな腕前を持ちながら、博打に目がなく、仕事をそっちのけに

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

落語 化け物使いのあらすじ 驚愕の奉公人の年間休日数とは?

化け物使い 人使いの荒いことで有名なあるご隠居 朝から晩まで働

馬
落語 付き馬のあらすじ オチの馬に行けとは?

付き馬 吉原のある店に金持ち風の男がと登楼してくる。その晩 男は

落語 黄金餅のあらすじ 西念が飲み込んだ金について

黄金餅 ケチ坊主の西念が病で寝込んでいると聞いて隣に住む金兵衛が

金蔵
落語 味噌蔵のあらすじ 防火対策の目塗りとは?

味噌蔵 ケチで有名な商屋の旦那の奥さんに男の子が生まれたというと

紀州
落語 妾馬(めかうま)のあらすじ 町娘がいきなり大奥へ?本当にあった?

妾馬(めかうま) ある日 長屋の大家さんのところに身なりのいい武

→もっと見る

PAGE TOP ↑