*

落語 錦の袈裟のあらすじ 袈裟の種類と寄付者について

公開日: : 最終更新日:2021/12/19 滑稽噺 , , ,

錦の袈裟

町の兄貴分が若い衆を集める。なんでも隣町の若い衆が揃いの縮緬の長襦袢で吉原遊郭に繰り出し大変な評判になったという。そんなものには負けてられないから、こっちも派手な趣向で吉原に繰り出そうという相談だ。
錦の袈裟相談
あれこれ相談しているうちに一人が錦で揃いの褌(ふんどし)を作りかっぽれを踊ろうと提案する。

錦なんて贅沢な布を惜しげもなく褌に使うなんてこれは誰でも驚くし、隣町の若い衆も真似できないだろう。計画実行の晩までにそれぞれが錦の褌を用意しようということになった。

これに困ったのがいつも若い衆の端っこに加わっている与太郎。とても錦の褌なんて用意できそうもない。仕方がないので女房に相談すると

女房:
「お寺には錦の袈裟があるからそれを借りてきな。親戚の娘に狐が憑きましたので袈裟を掛けて狐を払いたいのでお借りしたいと言えばいい」

与太郎は女房の言うとおりお寺へ行き、言われたとおり袈裟を貸してくれるよう和尚にお願いする
錦の袈裟和尚
和尚:
「そういう訳なら貸してやりたいのだが、明日その袈裟を寄付してくれた檀家の法事があるので その時に袈裟がないと具合が悪い」

与太郎:
「明日の朝までには必ず返します」
袈裟
しぶる和尚をなんとか説得して袈裟を借りて帰り いざ吉原へ。だがお寺の袈裟だけに褌にしてみると、いらないものがたくさん付いている。

町の若い衆は吉原で飲んで騒いだ後、裸になって、かっぽれを踊り始める。これには店のものもあまりの派手さに驚いた

遊女1:
「この方たちはきっとお忍びで来た殿様の一行に間違いないよ。中でもあの変わった形の褌の方、あれが殿様だね」

遊女2:
「でもあの人が一番ボ~っとしてますよ」

遊女1:
「そりゃあ殿様だもの悩みがないから自然と呑気な性格になるのさ」

遊女2:
「殿様の褌の前についている輪はなんでしょうね」

遊女1:
「あれは厠で的を外さないように通すチン輪よ。とにかく御付きの者よりも殿様を大事にするのよ」

勝手に勘違いされたおかげで与太郎だけがモテて他は全員振られてしまって面白くない。
錦の袈裟寝床
翌朝、花魁と寝ている与太郎を置いて先に帰ろうとする若い衆たち
与太郎はそれを追いかけようとするが、花魁が手を離してくれない

花魁:
「お殿様 けさは返しませんよ

与太郎:
袈裟は返さないって?それじゃあ和尚さんに怒られちまう」

袈裟の種類と寄付する人(檀那)について

噺に袈裟が登場しますが、袈裟といっても様々な種類があり、主なものだと五条袈裟、七条袈裟、輪袈裟などがあります。

輪袈裟は肩から掛けるだけのものなので、短く褌として締めるには向きません。五条袈裟も金欄の布を使いますが派手さには欠けます。褌に使われたのは七条袈裟ではないでしょうか?大きすぎる気もしますが…

噺の中で和尚さんは法事に着て行くと言っていますが、七条袈裟を着て行くというのは少々大袈裟かもしれません^^;お寺で行われる結構大きな儀式用のイメージがあります。
※寄付をしてもらった檀家さんということなので、着て行くのもありなのでしょうか?

ちなみに檀那(旦那)の語源はサンスクリット語のダーナの音写(漢字に当てはめること)からきておりお布施と訳されました。

変化して寺を支える人を檀家と呼ぶようになり、檀家はお布施などの寄付金で自分の菩提寺(檀那寺)を支えます。

七条袈裟を今注文しようとするとカタログ価格200万円~だそうです。袈裟を寄付してくれた檀家さんはかなりの大旦那と言えそうです。

落語一覧へ



関連記事

猫の皿

落語 猫の皿のあらすじ 猫一匹に三両実は高くない?

猫の皿 田舎の家々を回っては骨董品を買い集め 江戸に帰るとそれを転売して生計を立てている男

記事を読む

山登り

落語 愛宕山のあらすじ かわらけ投げについて

愛宕山 旦那のお供で京都へ行くことになった幇間(太鼓もち)の一八。愛宕山へ登ることになったが、

記事を読む

花魁

落語 お見立てのあらすじ オチの解説 サゲのお見立てくださいの意味は?

おみたて 花魁の喜瀬川のもとへ田舎者のお大尽 木兵衛(もくべえ)が尋ねてくる 喜瀬川は「

記事を読む

火炎太鼓

落語 火焔太鼓(かえんだいこ)のあらすじ 道具屋とサゲオチのオジャンについて

火焔太鼓 人はいいのに商売が下手な道具屋の店主 甚兵衛 お客が「いい箪笥だね」褒めれば「

記事を読む

金蔵

落語 味噌蔵のあらすじ 防火対策の目塗りとは?

味噌蔵 ケチで有名な商屋の旦那の奥さんに男の子が生まれたというという知らせが里から届く

記事を読む

落語 干物箱のあらすじ 何でもお金になった江戸時代の芸。声色つかいとは?

干物箱 遊んでばかりなのを懲らしめようと、大旦那は息子の徳三郎を店の二階に軟禁してしまう。

記事を読む

落語 宗論のあらすじ 宗論はどちらが勝っても釈迦の恥

宗論 店が忙しいというのに若旦那が朝から姿を見せない。 番頭の話によると どうやら若旦那はキ

記事を読む

落語 三枚起請のあらすじ オチの朝寝がしてみたいの意味と起請文とは?

三枚起請 吉原の花魁にいれこんでいる猪之(いの) それを棟梁が「本気になるなと」釘を刺すが、猪

記事を読む

目黒のさんま

落語 目黒のサンマのあらすじ 大名や武士が食べなかった魚とは

目黒のさんま 秋の晴れた日に家来を伴って遠乗りに出かけた さる国の殿様 目黒の辺りに着いた所

記事を読む

紅葉

落語 千早振るのあらすじ 江戸時代の豆腐事情とは

千早振る ご隠居のところに熊さんが血相を変えて転がり込んでくる。 娘が百人一首に凝りだし

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

落語 野ざらしのあらすじ オチの馬の骨だったか!の意味とは?

野ざらし 長屋の八五郎が隣に住む先生の元をたずねる。 昨晩

落語 化け物使いのあらすじ 驚愕の奉公人の年間休日数とは?

化け物使い 人使いの荒いことで有名なあるご隠居 朝から晩まで働

馬
落語 付き馬のあらすじ オチの馬に行けとは?遊郭での勘定のルール

付き馬 吉原遊郭のある店に金持ち風の男がと登楼してくる。その晩

落語 黄金餅のあらすじ 西念が飲み込んだ金について

黄金餅 ケチ坊主の西念が病で寝込んでいると聞いて隣に住む金兵衛が

金蔵
落語 味噌蔵のあらすじ 防火対策の目塗りとは?

味噌蔵 ケチで有名な商屋の旦那の奥さんに男の子が生まれたというと

→もっと見る

PAGE TOP ↑