*

落語 看板のピンのあらすじ ちょぼいちのルールとは

公開日: : 最終更新日:2020/03/30 滑稽噺 ,

看板のピン

若い衆が集まるサイコロ賭博にこの道ではかなり年季の入った渋い親分がふらりと現れる。

若い衆:
「親分ここはひとつ景気づけに胴をとってくだせえ」
親分:
「俺は42歳のときに博打はきっぱりやめたんだ。今日は久しぶりに覗きにきただけだ」
若い衆:
「まあ、そういわずに景気づけにやっておくんなさいよ」
親分:
「そこまでいうなら久しぶりにもんでやるか」
さいころ賭博
凄みたっぷりのセリフを吐き、胴元の席で壷を振る親分。しかし親分が伏せた壷皿の脇にサイコロが転がり出ていて一(ピン)の目になっている。

若い衆たちは親分も焼きが回ったのかなと戸惑いながらも、こいつはいただきとばかりにいっせいに一(ピン)に張る。

親分:
「おまえらの張る目は偏ってて面白しれえな。それじゃこの看板の一(ピン)は片付けてと」

それはないと慌てる若い衆たちに親分は

親分:
「勝負は壷の中だ。おまえたちは最初から目の出たサイコロで勝負しようってのか?俺の睨んだところ壷の中は五とみたね」

そして親分が壷を上げると、現れたサイコロの目は親分が言った通りだった。

親分:
「今回は俺が相手だからいいが、博打なんてもんは何がおこるかわかりゃしねえ。こんな遊びは大怪我しねえうちにやめときな」

と言うと親分は蕎麦でも食いなと若い衆に小遣いをくれて去っていく。
看板のピン小判
それをかっこいい、どうしても真似がしたいと一人の間抜けな男が別の賭場へ

男:
「俺は42のときに博打はきっぱりやめたんだが…」
若い衆:
「何言ってんだおまえはまだ26だろう」

無理やり胴元(親)になり、親分の真似をしてサイコロの一の目を転がして

男:
「さあ張った張った。おまえらの張る目は偏ってて面白れえじゃねえか断っとくがこぼれた一(ピン)は看板で勝負は壷の中だ」
若い衆:
「そのサイコロは看板かい。そりゃねえだろうよ」
男:
「博打なんてもんは何がおこるかわかりゃしねえ。これに懲りたら大怪我しないうちにやめちまいな。俺の睨んだところじゃあ壷の中は五だ」

そういって壷を上げると、なんと中の目も一(ピン)だった。

サイコロを使った博打の種類について

サイコロを使った博打はいろいろあります。2つ使うのは丁半博打とチンチロリン。今回は1つなのでチョボイチというもの。

ルールは単純で1つのサイコロの目を当てあうというもの。胴元(親)になったものが壷を振り、掛ける側(子)が一から六までの数字に掛け金を置く。数字が当たれば胴元から4倍の金額をもらい、負ければ掛け金は胴元のものになるというルール。

江戸時代、幕府は何度も賭博禁止令を出しましたが、江戸市中から賭場がなくなることはなかったようで、それどころか大名の下屋敷内で行われることもあったようです。

大名屋敷内までは捜査の手が回らないということで大変都合のいい場所だったということです。

落語一覧へ




関連記事

骨董

落語 金明竹(きんめいちく)のあらすじ 出てくる道具は何なのか?

金明竹 甥っ子の松公を預かることになった道具屋の主人だったが 松公はどこか抜けていて、何をやら

記事を読む

子はかすがい大工

落語 大工調べのあらすじ ラスト(オチ)の細工は流々…って何?

大工調べ ちょっと抜けている大工の与太郎 仕事があるというのに近頃まったく現場に出てこない

記事を読む

落語 猫の災難のあらすじ

猫の災難 酒は飲みたいが買う金はない そんな八五郎のところへ猫が鯛の頭をくわえてやってきた。猫

記事を読む

傘

落語 道灌のあらすじ 太田道灌は和歌に疎かった?

道灌 ご隠居のところへやってきた長屋の八っつあん。今日も馬鹿話をしている。そのうち絵の話になり

記事を読む

長屋の花見

落語 長屋の花見のあらすじ 江戸時代の桜の種類とは

長屋の花見 ある日貧乏長屋の住人達に大家さんから呼び出しがかかる。 誰もまともに家賃なん

記事を読む

孔子

落語 二十四孝(にじゅうしこう)のあらすじ 中国の書物二十四孝とは?

二十四孝(にじゅうしこう) 乱暴者の熊五郎が大家さんのところへ駆け込んでくる 何でも母親

記事を読む

家

落語 宿屋の富のあらすじ

宿屋の富 馬喰町の暇そうな宿屋にふらりと泊まりに来た小汚い身なりの男 主人はせっかく来てくれ

記事を読む

湯のみ

落語 二番煎じのあらすじ 江戸時代の治安維持のシステムとは

二番煎じ 寒い夜に番小屋に町の旦那衆が夜回りのために集まっている。 夜回りのために外に出

記事を読む

花魁

落語 お見立てのあらすじ オチの解説 サゲのお見立てくださいの意味は?

おみたて 花魁の喜瀬川のもとへ田舎者のお大尽 木兵衛(もくべえ)が尋ねてくる 喜瀬川は「

記事を読む

袈裟

落語 錦の袈裟のあらすじ 袈裟の種類と寄付者について

錦の袈裟 町の兄貴分が若い衆を集める。なんでも隣町の若い衆が揃いの縮緬の長襦袢で吉原に繰り出し

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

落語 野ざらしのあらすじ オチの馬の骨だったか!の意味とは?

野ざらし 長屋の八五郎が隣に住む先生の元をたずねる。 昨晩

落語 化け物使いのあらすじ 驚愕の奉公人の年間休日数とは?

化け物使い 人使いの荒いことで有名なあるご隠居 朝から晩まで働

馬
落語 付き馬のあらすじ オチの馬に行けとは?

付き馬 吉原のある店に金持ち風の男がと登楼してくる。その晩 男は

落語 黄金餅のあらすじ 西念が飲み込んだ金について

黄金餅 ケチ坊主の西念が病で寝込んでいると聞いて隣に住む金兵衛が

金蔵
落語 味噌蔵のあらすじ 防火対策の目塗りとは?

味噌蔵 ケチで有名な商屋の旦那の奥さんに男の子が生まれたというと

→もっと見る

PAGE TOP ↑