*

落語 粗忽長屋のあらすじ 色々なランクがある長屋について

公開日: : 最終更新日:2020/04/20 滑稽噺 , ,

粗忽長屋

そそっかしい八五郎が浅草の観音様にお参りした帰り道 人だかりが出来ているのに出くわす
浅草の観音
聞くところによると行き倒れが出たとのこと 野次馬丸出しの八五郎は人だかりを押し退けて前の方へ

「ごめんよごめんよ~」と先頭に来くると行き倒れの遺体を見てびっくり

八:
「なんてこった!こいつは兄弟分の熊五郎です。こんなことになっちまって…」

現場を仕切っていた役人は 遺体の身元がわかってひと安心 引き取ってもらうつもりだったが 八五郎がおかしなことを言い出す

八:
「遺体は本人に引き取らせますから」

「何を言っているんだ?」役人が止める間もなく長屋へ帰ってしまった
長屋
長屋へ帰り寝ている熊五郎を叩き起こすと

八:
「熊!浅草でお前が死んでたぞ!」

熊五郎の方も昨晩飲みすぎて どうやって長屋へ帰ってきたか記憶がないので「それは死んだからに違いない」という風に話がまとまってしまう

熊:
「俺は死んだのか…もっと旨いものを食っとけばよかった…」
粗忽長屋美味いもの
泣き出す熊五郎 二人は遺体を引き取るために浅草へ向かう

八:
「行き倒れ本人を連れて来ました!」

変な人が一人増えたと困り顔の役人をよそに 遺体にかけられている莚(むしろ)をめくってみる二人

「俺にしては顔が長い」という熊五郎だったが夜露に当たったからだとまたしても納得させられてしまう
粗忽長屋線香
「手厚く葬ってやろう」と遺体を引き取ろうと二人で抱き上げたところで熊五郎が呟く

熊:
「抱かれているのは俺なんだけど、抱いている俺は一体誰なんだ?

長屋暮らしについて

長屋と聞くと貧乏長屋を思い浮かべてしまいがちですが、現代のアパートやマンションのようにランクがありました。

家賃は安い長屋 いわゆる裏長屋で300文(約7500円)高級長屋で1000文(約25000円)くらいと言われています。

基本的な広さは幅奥行で九尺二間で六畳一間で入り口には土間やかまどがあるため、生活スペースは四畳半ほどしかなく、ここに家財道具を置き、家族で住んでいたというから驚愕の狭さです。

ちなみに長屋の住人を町人とはいいますが、彼らは公的には町人とはみなされず、大家さんの居候という扱いでした。

そのため税金の支払い義務はなく、収入に対する家賃の安さから意外とのんびりと暮らしていたのかもしれません。

落語一覧へ



関連記事

火炎太鼓

落語 火焔太鼓(かえんだいこ)のあらすじ 道具屋とサゲオチのオジャンについて

火焔太鼓 人はいいのに商売が下手な道具屋の店主 甚兵衛 お客が「いい箪笥だね」褒めれば「

記事を読む

紙入れ

落語 紙入れのあらすじ 命がけだった江戸時代の不倫

紙入 出入り業者の新吉のところに得意先のおかみさんから手紙が届く 今晩は旦那が帰らないから云

記事を読む

落語 質屋蔵のあらすじ オチの流される~利上げせよの意味は?

質屋蔵 伊勢屋の質草を預かる蔵に怪奇現象が起こるという噂が立つ。本当かどうかわからないが 放っ

記事を読む

落語 船徳のあらすじ 吉原の遊郭通いに使われた猪牙舟(ちょきぶね)

船徳 柳橋の馴染みの船宿で居候をしている若旦那。なにやら思うところがあり 自分も船頭になりたい

記事を読む

小間物かんざし

落語 小間物屋政談のあらすじ サゲのしょい(背負い)とは?

小間物屋政談 働き者で評判の小間物屋 相生屋小四郎。 江戸から上方へ行商に行くことを伝えるた

記事を読む

落語 権兵衛狸のあらすじ

権兵衛狸 一人暮らしの権兵衛が一杯飲んで寝ようとしていると いきなり家の戸を叩く音がする。同時

記事を読む

大山詣り

落語 大山詣りのあらすじ 江戸時代の行楽だった寺社参拝

大山詣り 長屋の男衆が揃って大山詣りに出かけることになった。行楽半分、信心半分の旅ではあるが、

記事を読む

落語 本膳のあらすじ 本膳料理とは何か?

本膳 長屋の男たちの元へ大家さんから手紙が届く 誰もまともに字が読めないものだから「これはひ

記事を読む

落語 天災のあらすじ

天災 どんな些細なことにも噛み付く怒りっぽいことで有名な熊五郎 今日も女房と喧嘩をしたよ

記事を読む

落語 家見舞(こいがめ)のあらすじ 江戸時代の水道事情について

家見舞い 日頃世話になっている兄貴分が引っ越しすることを聞いた長屋暮らしの八と熊 引っ越し祝

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

落語 野ざらしのあらすじ オチの馬の骨だったか!の意味とは?

野ざらし 長屋の八五郎が隣に住む先生の元をたずねる。 昨晩

落語 化け物使いのあらすじ 驚愕の奉公人の年間休日数とは?

化け物使い 人使いの荒いことで有名なあるご隠居 朝から晩まで働

馬
落語 付き馬のあらすじ オチの馬に行けとは?遊郭での勘定のルール

付き馬 吉原遊郭のある店に金持ち風の男がと登楼してくる。その晩

落語 黄金餅のあらすじ 西念が飲み込んだ金について

黄金餅 ケチ坊主の西念が病で寝込んでいると聞いて隣に住む金兵衛が

金蔵
落語 味噌蔵のあらすじ 防火対策の目塗りとは?

味噌蔵 ケチで有名な商屋の旦那の奥さんに男の子が生まれたというと

→もっと見る

PAGE TOP ↑