落語 権兵衛狸のあらすじ
権兵衛狸
一人暮らしの権兵衛が一杯飲んで寝ようとしていると いきなり家の戸を叩く音がする。同時に外からは「ごんべえ、ごんべえ」と名前を呼ぶ声が…
「一体誰なんだ?」と戸を開けてみるが誰もいない。気味が悪いなと思いながらも床に付く権兵衛。その日から不思議な声は毎晩同じ時間に聞こえるようになる。
権兵衛:
「足音もしないところをみると もしかしたら物の怪の仕業か?正体をあばいてやろう!」
その晩いつも声がする時間を見計らって戸の裏側に身を隠していると、今日もあの声が聞こえてくる。
謎の声:
「ごんべえ、ごんべえ」
権兵衛:
「何か用か?」
大声で叫ぶと同時に戸を勢いよく開けると、家の中に狸が転がり込んできた。
「声の正体は狸か!」狸を捕まえると縄でグルグル巻きにする。権兵衛は吊し上げた狸に向かって
権兵衛:
「狸汁にしてやってもいいが、今日はおとうの月命日だ 殺生はしねえ」
そのかわりと権兵衛は狸の頭の毛をカミソリで反り落とすと、外に逃がしてやる。
権兵衛:
「捕まったのが俺でよかったなあ もう二度とイタズラするんじゃねえぞ」
山へ帰っていく狸。それからしばらくは何事もなく過ぎたが、ある晩のこと再び戸を叩く音と権兵衛を呼ぶ声がする。
狸:
「権兵衛さん、権兵衛さん」
権兵衛:
「何だ?またあの狸か?何か用か?」
戸をガラリと開けると やはりあの時の狸
権兵衛:
「今度は何だ?」
狸:
「権兵衛さん 今度はヒゲをお願いします」
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