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落語 六尺棒のあらすじ 江戸時代放火犯の末路とは

落語 六尺棒

道楽者で遊んでばかりいる大店の若旦那。今日も遅くまで飲んでしまい深夜に帰宅する。

こっそり家に入ろうとするが、しっかり戸締まりがしてあり中に入れない。
夜
ドンドンドン

店の者に開けてもらおうと戸を叩くと、待ち構えていたのは大旦那

大旦那:
「遅くにどなたですかな?おや?せがれのお友達でしたか?

あの者は道楽者で家に置いておけないから勘当しようと思っています

もう帰ってくるなとお伝えください」

と他人のような扱い

若旦那:
「勘当だなんて店の跡継ぎはどうするんだ?勘当されるくらいなら死んでやる」

ゆさぶりを掛けてみるが、若旦那は吉原に十日も居続けたり、日頃の行いが悪すぎた。本気で怒る大旦那には通用しそうもない

大旦那:
「うるさい隣の息子さんを見なさい。働き者だし親孝行だ。少しは見習いなさい馬鹿息子」

若旦那:
「こうなったらこんな店には火をつけてやる」

反省をしない若旦那の態度に大旦那の堪忍袋の緒が切れた。六尺棒を手に飛び出してきた
六尺棒
若旦那を追いかけた大旦那だったが暗がりに逃げられてしまい姿を見失ってしまう

店に戻ろうと扉に手を掛けたところで、内側から戸締りがされ、締め出されてしまったことに気が付く

ドンドンドン

大旦那:
「こら 開けなさい」

若旦那:
「遅くにどなたですか?おや?父のお知り合いの方でしたか?

父は息子に対して意地悪で頭が固いので勘当しようと思っています。

もう帰ってくるなとお伝えください」

すっかり立場が入れ替わってしまった。若旦那は続ける

若旦那:
「お隣の父上を見なさい。気前はいいし優しいし、少しは見習いなさい馬鹿親父」

大旦那:
「うるさいこの馬鹿息子。俺の真似がしたいなら六尺棒を持って表に出てこい!」

落語 六尺棒江戸時代放火をしたらどうなった?

落語 六尺棒について。

この噺の舞台は大店ということで、この旦那親子以外にも番頭や手代達が同じ店に家族同然に住んでおり、外で大騒ぎされるとさぞかし迷惑だったのではないかと思われます。

途中若旦那が「火をつけてやる」というくだりがありますが、現代でも放火は重罪ですが、江戸時代は火罪といってさらに過酷な刑罰が下されました。
奉行
火罪は市中引き回しの上、火あぶり(15歳以下なら島流し)
火などつけられたら、店は燃えるわ若旦那は罪人になるわで、放蕩三昧で財産を食いつぶすどころの騒ぎではなく、大旦那はさぞかし焦ったのではないでしょうか。

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